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大高の家が建つこの地域は、かつて絞り染めと共に繁栄し

今でも古い町並みが保存地区とされ継承されている。

そんな風情ある街に足並みを揃えるように瓦屋根の家を建てた。

地面からつながっていくようなその瓦屋根は

2階まで長く伸びていく。

庭を囲うようなL型の平面とし、

縁側があるその庭の中心には

1本のシンボルツリーである紅葉を植え、

どこに居ても庭を感じられるようにした。

縁側は子供達の遊び場となり、

親戚や友人が集まれば宴会の場にもなる。

日向ぼっこをしたり、ちょっとお茶を飲んだり、

生活の中心にある大切な居場所。

またシンプルな平面ながらも、断面は変化をつけることで

個性ある空間を作り出し、

昔からある素材をところどころに使いながら

どこか懐かしい記憶の片隅にあるような家にしたかった。

将来は家が森の中に埋もれているようにしたい、

と庭には沢山の季節の木を植えた。

20年後の姿を楽しみにしている。

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