お店のカタチ
- 建吾 安藤
- 5月13日
- 読了時間: 2分
更新日:5月14日

何代にも渡り引き継がれている和菓子屋さんの店舗設計をさせてもらうことになり、
来年完成に向けてこれから始動していく中、
ふとした会話の中で、こんな言葉が。
「売れるとか流行る店を作りたいわけじゃなくて、
今買いに来てくれているお客様をこれからも大切にしたくて
だから居心地の良いあったかいお店にしたい」
業種は違えどこの言葉に深く共感したわけです。
もちろん売上を伸ばしたい、流行らせたい、
ということは経営する上ではとても大切なことなのかもしれない。
だけど一方で、このご時世とても便利な世の中になり、
ネット社会や情報過多の中、
ポチっとすれば物が買えて、何がバズった、今の流行りはこれとか、
ちょっとだけ心が枯渇する瞬間がある。
大事なことってなんなんだろう。
今回でいうと、
一つ一つ丁寧に作られた和菓子を買いに、
お店に直接足を運んで、作り手と何気ない会話を楽しみ、
今日は何にしようかなと好きなものを買って、
帰り道ちょっと遠回りして散歩しながら
心地よい風を感じたりして
家に帰ってゆっくり和菓子を頂く。
そんな当たり前のことが心を動かし、日々が彩られていく気がする。
ワンクリックじゃ得られないもの。
その中に、ああこのお店素敵だな、落ち着くなとか、
建築的エッセンスが加わって、
足を運んで行くのが少しでも楽しみになるようなお店になれば嬉しいなと、
そんなことを思いながら、
色々ああだこうだ試行錯誤しております。
写真は柏餅の餅を平たくする道具で、
古くなれば自分で修理しながら、大切に使うのだそう。
お店に打合せに行くと色々な職人道具を見せてくれるので
毎回とても興味深いです。
2025.5.13 ando.Y